先週あたり、google 社員による google+ dis (と、アマゾンdis) の長い文章がネット全体で話題になってた。全文日本語訳する人も現れたので見た人も多いと思う。

その原文を転載していた hackernews の転載記事のコメント欄で、誰かが「米アマゾンからオファーもらったけど、現職で有給四週間なのに二週間しかくれないっていうから断ったわwww」っていうレスを投下したことから話が膨らんで、各国の有給休暇の日数や労働時間の話でもりあがっていた。

興味深かったので、そのスレッドの部分だけ抜粋して紹介。

  • 標準で四週間も有給がついてくるヨーロッパとオーストラリアでの経験のおかげで、完全に怠けグセがついちゃった。これより休暇が少ない国にはもう戻れない。
    • ここデンマークでは最低六週間、プラス労働時間は週37時間までだよ。こんなとこでいったいどうやったら何かが完成するのかほんと謎…
      • 自分的法則によると、生産性と労働時間は逆比例する。
      • 最近ヨーロッバの統計をみたんだけど、最大労働時間が週何時間って決まってようと、休暇がどれだけあろうと、その国の休日が何日であろうと、平均労働時間はどこにいってもそんなに変わらない。たぶん、第一世界の国の間ではたいした違いはないんだろうね。韓国を除いては。(あとアメリカもややそうかな)。
      • 好奇心から聞くんだけど、スタートアップのカルチャーはそっちにはあるの?だとしたら、起業家(と、最初の従業員達)も同じガイドラインに従ってるもんなの?少なくともアメリカでは企業したりスタートアップで働くってことには長時間労働がつきものだけど。
        • スウェーデンでは休暇は五週間、労働は週40時間が基本。そして Spotify, Skype, Voddler, SoundCloud, Flatterといった結構うまくいってる企業を輩出してる。ただ、これらの企業のファウンダー達が週40時間だけでやっていたかっていうとそれは疑わしいよね。起業家は自分の労働時間は自分で決めるし、普通の従業員でも残業は珍しいことではない。

          たぶん企業文化によってだいぶ異なるんだろう。最近スタートアップで働きはじめた友達は、先週毎日11時間働いたって言ったら褒められたらしい。振替休日とかそういう心遣いは全くなし。自分がいる会社(スタートアップではない)だと11時間労働といったら相当な激務を意味するし、もし上司がそれを知ったら、確実に、翌日は休息をとって遅めに出社しろって詰められるだろうな。

        • いや、うちの国は起業家精神を決定的に欠くことで悪名高いんだ。なんとでもいってくれ。でもそれで経済はそこそこ良いし、サクセスストーリーもある。だから働く時間が少ないことにも意義はあるだろう。
        • 古いジョーク:「起業家であるということは、半日しか働かないことも可能だということだ。しかも、どっちの12時間の方か自分で決めることが出来るんだ!」
        • ここオランダではスタートアップのカルチャーは、SV(訳注:シリコンバレー?) ほどではないけど、ある。個人的な経験でいうと、そういうガイドラインは厳密に守られてるわけではない。自分の周囲の大学出たての若い人達はみんな週40時間以上働いて休暇は20日程度。もし必要なら週40〜60時間くらいは働くかな。

          ただ、直接の比較は難しいと思う。働くっていうのはどこまでを含むんだろ?コネを広げるために飲みに行くのも含めるのなら数字はだいぶ高く出るわけだし。

        • 「(国が手厚く面倒を見てくれる)ベビーシッターカルチャー、リスクをとらない傾向、情報を共有したがらない風土が、フィンランドを家族と生活していくのには素晴らしい環境にしているが、それこそがスタートアップハブとしてのフィンランドを殺すことになるだろう」(ここからの引用 )

      • 休暇の法的な最低日数が六週間って本当?ちょうどこの国で職を得たところなんだけど、有給休暇は五週間って言われたよ?
        • ごめん、確認してみたら五週間だったわ。

      • 休暇をとる余地があることと、その休暇をちゃんと消化させるカルチャーがあることの両方が、生産性に大きな違いをもたらすと思う。
      • ここで休暇が何週間って言ってるのは、週7日じゃなくて業務日5日に対しての換算だよね?つまり二週間の有給=10日の有給ってことでおk?
        • Yes

    • イギリスでは法律上の最低日数は5.6週(訳注:28日)で、それでもヨーロッバの中では最も少ない部類。なんでアメリカの最も給与レベルの高い人達が、ヨーロッパの最も低い給与レベルの人達より少ない休暇日数で満足できてるのかさっぱり分からん。
      • 労働市場が休暇を求めてないからでしょ。でも僕らは多く給料をもらってるし、税金も少ない。
        • 収入という点でいうと、大きな幅があるね。(参考: http://en.wikipedia.org/wiki/Median_household_income )

          税金の方でいうと、自分はノルウェー人で、イギリスに住んでて、カリフォルニアに移住を考えてるんだけど、自分の収入レベルではその3つのどこにいたって2-3パーセント程度しか変わりはない。ただ違うのは、イギリスかノルウェーではその同じ税金でずっと多くのサービスを受けることができるってこと。確かにアメリカの一部にはヨーロッパのどこよりもずっと少ない税金で暮らせるところもあるんだろうけど、どこでもって感じじゃない。

    • 英Oracleでは42日もらってた。そのうち10日は翌年に持ち越せる。ただ、定期的にオーバーワークになってその補償が十分なかったりした。(それで辞めた。) アメリカの同僚はうらやましそうにしてた。
    • こういうときに、アメリカは第三世界の一員だってことに気づくんだな。それ以外では、フランスで医者にかかって支払いについて訪ねて、変な顔をされた時か。(訳注:フランスは医療費タダじゃないと思うんだけどどういう意味なんだろ...)
    • そう、フランスの標準は五週間

  • ええええ、彼らって年間二週間しか有給ないの?頭おかしくね?
    • 最初の年は二週間、二年目からは三週間。それ以外に6日のバーソナル休暇(訳注:自分や家族の病気とか、役所の手続きとかいった事情があるときに使える有給)がある。ただ自分は、アマゾンではまだ有給とってない。人事からとれって催促のメールが定期的に来てるが。チームやマネージャにもよるけど OOTO(out-of-the-office:休暇)っていうメールを出せばそれでOKっぽい。
    • アメリカじゃそれが普通だって。
      • 自分の記憶が正しければ、アメリカは先進国の中で唯一、有給休暇日数の最低限度が定められてない国だよ。(国家公務員を除く)。「小さな政府」が好きな人は歓迎するかもだけど。実際の平均休暇日数が最も少ない国の一つでもある。自由市民達は働くのが好きらしいね。(別の統計では、カナダ人がもっとも平均が低いってのもあった)。

        不思議なことにこれは、年間の労働時間とは直接相関がない。イタリアはアメリカとほぼ同じ数字だけど休暇は20日が法律で定められてるし、それ以外にカトリックの休日が結構ある。韓国人とギリシャ人はトップに位置してるけど、ギリシャの統計は現状あまり信頼できないね...

        • イタリアのオフィスアワーは8時〜12時と2時〜8時みたいな感じ。公式な仕事時間はずっと長いけど、真ん中に素敵な休憩タイムが挟まってる。

    • 最初は二週間の有給プラス6日のバーソナル休暇、で、一年後には三週間。六年目には四週間になる。そんなには悪くないよ。そんなに良くもないけど。
    • 台湾では七日。あとは(旧暦の)新年の一部として一週間もらえるだけ。年間二週間なんて自分の倍も良いじゃないか。

太字はこっちで勝手につけました。ちなみに各国で定められている最低有給日数はここで確認できるようです。アメリカには確かに基準がないみたい。日本は初年度10日(つまり二週間)、6年目で20日(つまり四週間)と定められてるようだけど、実際の消化日数や労働時間はどんなもんなんだろう?

...と思ったら三年前の調査結果がここにあった。確かにこれを見ると、制度上はアメリカがダントツでブラック。しかし有休消化率ではそれを超える日本。

あと、日本はその分祝日が多いよねっていわれたこともあるんだけど、実はどの国も15日前後でそんなに変わらないようだ。もしかして他で休まないから祝日が目立つだけ...?

最後の台湾人のレスだけが唯一普通に見える、という人も多いんじゃないだろうか。

さて、ここでヨーロッパ勢から袋だたきにされている「休暇日数の少ないアメリカ企業」の実情はどんな感じかというと、

  • 与えられた休暇はきっちり使う。しかも一週間ぐらいの単位でまとめてとるのが普通なので「明日いません」よりも「来週いません」の方がよく聞くフレーズ。
  • 上にも出てくるけど、家族が病気とか免許の更新とかの場合は有給とは別枠で休みがとれる
  • 休むときは申請とかの手続きは特になくて、「OOO (out of office)」といったタイトルのメールを投げるだけ。
  • 基本、定時で帰る。夕方5時頃になるとあっという間に人がいなくなる。会議中でも「そろそろ帰りのバスの時間なので」とか言ってどんどん人が出て行く。金曜はもっと早い。

定時に人がいなくなる様子って何かに似てるとおもったけど、たぶんあれだ。学校で、終業のベルがなる頃になるとみんなそわそろわし出して、筆記用具も早々にしまっちゃって、ベルが鳴った途端に先生もほったらかしにして教室を飛び出して行ったでしょ?あの感じがそのまま社会人になっても継続してる感じかもしれない。そう例えると、残業してる人がいかに奇異に映るか分かるだろうか?

そういえばうちのチームのテクニカルマネージャやってる米本社の人が、「ちょっと一ヶ月ほどメッカ巡礼に行ってくるわ」って言って今週から休みになりました。ちょ、急だなおいwww と思ったけど、まあその間の仕事は全部引き継ぎされてるし、みんな「あ、そう」みたいな反応だったので格別驚くような話でもないようだった。

こんなんでもヨーロッパ人からは働きすぎってケチョンケチョンに言われるんですよ。(関係ないけど「ケチョンチケョン」ってなんなのかね…)

このスレッドには結局日本への言及が一度もなかったけど、彼らが日本の平均的なサラリーマンの残業時間と有給消化日数を知ったらどんな反応を示すんだろうか。それとももう十分知られていて別格扱いなのか。

あともしかすると、最近は、韓国の台頭におされて「ワーカホリック=日本人」っていうブランド(?)イメージがなくなってきている気配も感じなくはない。働きもののイメージだけなくなって実情は世界一のワーカホリックのまま、じゃ本当になんの得もないよな。