オフィスにお菓子コーナーがあって、その中に異常にべったりと歯につく食べ物があったのをうっかり油断して食べたら歯の被せ物がとれました。

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(事故現場のお菓子コーナー)

アメリカで歯医者にかかると十万円とか普通にかかるって噂は聞いていたし、そういう上級者向けイベントが渡米3ヶ月目でいきなり発生するのはちょっと勘弁してほしかったですねぇ。。



歯科にかかるときの保険は普通の医療保険とは別で、専門の歯科保険がある。
今の会社で提供されてる歯科保険のカバー率はこんなかんじ:

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上から順に preventive / basic / major と三段階あるのと、左右に participating / non-participating と二種類あるのが要点。

participating / non-participating は、この保険のネットワークに加盟している歯医者かどうかの違い。加盟医の方が若干料率が高い。

一方、preventive, basic, major は症状の度合い
予防的な(preventive)診療、たとえば定期検診とかフッ素コーティングとかはネットワーク加盟いかんに関わらず100%補償される。

ちょっとした詰め物とか基本的な(basic)な処置だとこれが90%(つまり患者が1割負担)になる。ネットワーク外だとさらに10%下がる。

そして、majorに分類される処置になると保険料率が一気に60%まで下がる (ネットワーク外だと50%) 。

つまり歯科保険の趣旨を意訳すると:

「虫歯は予防しろ。予防の費用や軽い治療ならいくらでも払ってやるけど、ひどくなったらそれは放っといたお前のせいだから知らん!」

といった感じなのかな。

予防に力を入れてくれれば人は健康になるし、保険会社も払う費用が少なくて済むのでwin-winだとは思う。でも古い詰め物が取れるのはけっこう不可抗力なんですけど...!



で、しょうがないので歯医者行って来た。社内wikiで評判良いところに予約入れてみたら、ネットワーク外だった。
まあネットワーク内かどうかではせいぜい10%しか違わないのでこの際どうでもよくて、basic か major かでカバー率が30%も増減するのが致命的な分岐点。

そして、今回とれたのは詰め物(filling)じゃなくて被せ物(crown)だったんだな。
詰め物と被せ物の違いなんて意識してなかったけど、filling なら basic なので治療費は数十ドルのさらに1〜2割負担だけで済む。が、crown になると値段は1000ドルを超える上、 major 扱いなので自己負担額が4〜5割に跳ね上がるのだった。



こっちの良いところはどんなサービスでもたいていwebサービスがあって、利用状況や支払いの確認をネットでできること。
電気ガス電話料金はもちろんのこと、マンションの管理会社も、保険会社も、そして歯医者にもオンラインサービスがある。
早速、保険会社のページにいって今回の請求の内訳を見てみたのがこれ。

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(「?」になってるとこは「$」だと思うんだけど、なんで英語ページで文字化けとか起きるわけ?)

1. core build up というのがクラウンをかぶせる前の処置。これが$350なんだけど、まず$50は最低限自己負担しないといけない金額 (deductive)。それを除いた$300のうち50% (=$150)が保険でカバーされる。

2. クラウン自体は$1350。...11まんえん!噂通りの高額!これも50%カバーされるので$675分は保険。

3. intraoral-periapical-first は、たぶん最初に検査でX線写真撮ったりしたやつの料金だと思う。これは preventive 扱いで、$40全額保険でカバー。

つまり、自己負担額は $1740のうち$875。
奥歯の被せ物をとりかえるだけで7〜8万円自己負担すか!

ていうか歯医者で請求されたのは$770だったんだけど、保険会社のページには$875って出てるのでどっちかが計算方法を間違ってる気がする。次行った時$100追加請求されるんかいな...


しかも、この保険の一年の最大補償額 (maximum benefit) は$2000で、それを超えると今年度はそれ以上保険が下りない。もう半分近く使ってる計算になるので、今後の食生活がだいぶスリリングです。今年度っていつまでだ?



さらに保険の規約を良く読むと、詰め物や被せ物のつけ直しは歯一本あたり8年に一回まで。詰め物が取れた場合は、それが8年以上前に入れたものだと証明できなければ補償してあげないよ、という項目も見て取れる。

つまり、歯科保険の趣旨の意訳その2:

「詰め物/被せ物は8年程度はもつもの。8年もたない欠陥医療に払う金などない!」

ということらしいぞ。

今回は、被せ物の下で虫歯が少し進行してたみたいで、つけ直しではなく新規治療扱いになったようだ。ラッキーなんだかアンラッキーなんだかよくわからん。

中東系の美人姉妹の歯医者で、説明は丁寧だし、腕も良いみたいで痛みがまったくなかったのがせめてもの救いです。



ここまでするなら日本に帰って歯医者行った方が安いんじゃない?という噂もあるけど、国民健康保険に入り直すのだって数万円かかるので、旅費と合計すると倍はかかるかな。
逆に言えば、二本以上同時に治療するなら一時帰国した方がお得なのかも...


まあとにかく、良い子のみんなはアメリカに来る前にはちゃんと歯をみがくんだぜ!

あ、関係ないけど、口が臭い人は胃の調子がどうこうとかより、歯に挟まった食べかすが腐臭を発してるケースがほとんどだから歯みがきよりもまずデンタルフロスだ!
リーチ デンタルフロス ワックス 50m
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そして、ベタベタのお菓子は歯医者と保険屋の陰謀だと思って回避しろ!
どうせまずいしな。


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※アメリカの保険の細かい仕組みや用語については同僚の人のブログがくわしいです。

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オフィスのトイレには使い捨てのフロスと歯ブラシと歯磨き粉が常備されてる。